2005年12月29日

「ポビーとディンガン」


イギリス=オーストラリア


霊とかUFOのような目に見えないものを信じない私としては、
「目に見えないお友達」の存在を信じる子供というのは
かなり抵抗のある設定だと、観る前は危惧していました。
でもあの真っ直ぐな瞳で見つめられると、決して信じてはいないのだけれど
信じたくなってしまう。子供ってすごい力をもっていますね。

笑い物になっても非難されても、妹のために「空想のお友達」を探すお兄ちゃん。
とても必死に探しているのに、どこか飄々とした感じがあって、
逆にその感じが芯の強さを表しているようにも思えました。
妹を助けようと奔走する姿も泣かせますが、
盗掘の濡れ衣を着せられて町中のハブになった父親を信じる姿も、
凛々しくて素敵です。

妹を思いやる優しさだけでなく、そんな強さがあるからこそ、
最後には町中の人の心をつかむことができたのでしょう。

お兄ちゃんの優しさと強さも素敵でしたが、
最後に粋な計らいをしてくれた葬儀屋のおじさんに、心を奪われました。
感動ものだと聞いていたのに、どこで泣けるんだろう、あれ、そろそろ終盤なのに・・・
という矢先の出来事でした。
いいとこ持ってくね。

しかし、「空想の友達」は信じなかったのに、
父親のオパール探しは否定せず、将来は自分も・・・!!
発掘できるかどうかわからないオパールを探し求めるなんて、
父親もお兄ちゃんも、目に見えないものちゃんと信じているじゃない。
それとも、男のロマンと空想の友達は別なのでしょうか。


公式サイト
ポビーとディンガン@映画生活
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2005年12月26日

「ある子供」


ベルギー、フランス


冬の日本海のような、重苦しい空気感。
出産した喜び一杯に退院してくる母親の気持ちをよそに、
その後の父親の愚行を予感させるような、雲の厚い空。

金欲しさに、若い父親は産後間もない自分の子供を売ってしまう。
その様があまりにも淡々としていて、淡々としすぎて、気味が悪い。
単に、父親になった実感が湧いていないだけなのだろうけど。

売ったことを少しも悪びれず子供の母親(というか彼女)に告げるところで
怒り爆発。(彼女ではなく、私の。)

父親は、最後には自分の過ちに気付き、深く深く反省し、一つ大人になる。
しかし、こうも男子というのは、父親の自覚を持たないものなのだろうか。
若いから?
若くなければ、ある程度の年齢を重ねていれば、きちんと自覚するもの?
女子は若くても母親の自覚を持つというのに。


公式サイト
ある子供@映画生活
posted by hanabi666 at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月23日

「ビッグ・スウィンドル!」




史上最大の詐欺、と聞いていたのに、え?主人公、もう死んでしまったの?

・・・単純な私は、冒頭1分から見事にだまされました。

最初から最後までずーっと欺されて何だか気持ちよかったです。
欺し合いだけではなく家族愛もしっかり盛り込んであって、
さすが韓国映画、血が濃いですね。

パズルみたいにいろんなところから話が組み立てられていき、
ようやく最後に全貌が分かるところなど、
ちょっと「運命じゃない人」に似ているかも。
韓国映画界では、脚本の面白さから業界内で話題になり、
いくつかの映画賞も受賞したそうです。

主人公のパク・シニャンは、これまで王子様的役柄が多かったそうですが、
今回のような一見軽薄そうで、まったく二枚目ではない役、ぴったりです。
(話題のドラマもこれまでの映画も観ていないので、比較はできないですが・・・)

それよりも、作中で「生まれつきの女キラー」と称され、
女性相手に詐欺をはたらくパク・ウォンサン。
どこがどのように女キラーなのか、ちょっと・・・。
韓国文化の謎は深まるばかり。


公式サイト
ビッグ・スウィンドル@映画生活
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2005年12月18日

「トンケの蒼い空」




「トンケ」なんて日本語で聞くと少しかわいらしい感じさえするけれど、
「野良犬」という意味だと知ると、聞こえが違う。

小さい頃は、父親の職場仲間に親しみを込めて「トンケ」と呼ばれても
まだかわいげがあるけれど、
高校生になり、部活では補欠、先輩の使いっ走り、飼ってる犬まで邪険にされると、
「トンケ」本来の意味を帯びてくる。

大人になっても、職を持たず、親のお金をくすね、家でぶらぶら、まさにトンケ。
それでも、実は友達想いの優しいところがあったり、
意外にも正義感が強かったりするのは、きっと刑事である父親の影響だろう。
金をくすねられても見逃し、喧嘩沙汰ももみ消し(これは職権乱用・・・)、
一見、愛情を注いでいるようには見えないけれど、
本当はいつも彼をあたたかく見守っている。
そんなに甘くしたら、息子はろくでもない人間になるよと心配になるくらい。


「ろくでなしでも、ヒーローになれる」

かっこ悪い主人公が、成功したり何かを手に入れて、かっこ良くなって終わり、
という話はよくあるけれど、
この作品が甘い感じで終わらないのは、
きっと「成功したい」とか「かっこ良くなりたい」とか「輝きたい」とか、
そんなことは全く考えずに彼が行動しているからだろう。
ただ守りたいものを夢中で守る。良くいえば純粋で真っ直ぐ。

甘く感じなかったもう一つの理由は、日本よりハードな学歴社会を反映する台詞。
「知らないことは罪だ」と無学歴を非難する大人。
学歴が高ければそれでいいかというと、人間、学歴がすべてではないけれど、
知らないことを言い訳にするな、知らなければ許される、なんて
世の中そんなに甘くないよ、と言いたかったのでしょう。


主演のチョン・ウソンの作品を観たのはこれが初めてです。
かなり頭の悪そうな男子を演じていました。
話し方も姿勢も、かなりだらしない感じが出ていて好演でしたが、
高校生役はさすがに・・・老けすぎ。30代ではきついですね。

この作品の後に主演した「私の頭の中の消しゴム」、
感動の恋愛ものということで興味なかったですが、
彼がどんな二枚目なのかちょっと観てみたい気持ちになりました。


公式サイト
トンケの蒼い空@映画生活
posted by hanabi666 at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月06日

「そして、ひと粒のひかり」



アメリカ、コロンビア


ゴム容器に包んだ麻薬を飲み込みお腹にためて、コロンビアからNYまで運ぶ。
容器が破れると麻薬が流出して、死に至る。

そんなリスクを負わないと生計が立てられないような社会情勢に視点をおく
という見方もあるだろうけれど、
同じ女性という立場からすると、
どうしてもそんな選択をした主人公マリアの感情に注目してしまう。

結婚する気もないボーイフレンドの子供を身籠もってしまい、
安い賃金とはいえ安定収入だった職を、上司と衝突したために失い、
でも家族を養う役目からは逃れられない。
それだけでも結構な重荷なのに、それを背負っているのが17歳の少女だなんて、
人生は過酷だと思わざるを得ない。
死のリスクを承知してでも、大金が手に入る「運び屋」を選択する彼女を、
誰が責められるだろうか。

「女性として母親として徐々に成長し輝いていく主人公の姿に深い共感を覚え、
人生において新しい一歩を踏み出すことの大切さを伝えてくれる」

ラストの彼女の表情からは今までにないほど強い意志を感じるし、
故郷コロンビアには戻らずにNYで新しい一歩を踏み出した。
それを後押しするような人物とも巡り会った。
しかしながら、彼女は最初から強くはなかったか。

確かに、「運び屋」を選択したのは大金に目がくらんだから。
しかし、まず妊娠の責任を彼に押しつけず、(彼が頼りないので仕方ないが)
かなりむかつきながらも家族の生活を自分の収入で賄うことを決め、
「運び屋」を放棄する猶予もあったのに、彼女は敢行した。
それだけで充分、強くはないだろうか。

それがどんなに拙い、愚かな選択であろうと、自分の責任において行動している。
きっと、自分が選んだことだから後悔なんてしたくない、と思っているだろう。
まずい選択だったと気付いても、その中で一番ベストを尽くす。
そんな潔さが格好いい。
これが17歳かと思うと、ちょっと自分が不甲斐なく感じるのだけれど・・・。


公式サイト
そして、ひと粒のひかり@映画生活
posted by hanabi666 at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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