2006年06月25日

「バッシング」




実際の人質事件が起きたとき、
わたしも多くの日本人がそうであったように、
「人命尊重論」→「自己責任論」の波に乗った。

ボランティア精神は素晴らしいと思う。
彼女が人質になり、解放のために様々な機関が動いたりしなければ。

主人公・有子は、何をしてもうまく行かなかった。
自分を必要としてくれる人は日本にはいなかったが、
「向こうの人たち、特に子供たち」には必要とされ、
自分の存在意義を「向こう」に見出した。
人間、誰かに認められたいと思うのは普通だし、
誰かに必要とされればその誰かに尽くしたいと思うだろう。
そういう意味で、有子は極めて純粋な人間と思う。

やや幼稚な感は否めないけれど、その点は理解できなくもない。が、
人質になったことによる影響の大きさを理解しているだろうか。

コンビニで、おでんを一つずつ容器に入れ、おつゆもたっぷり、
なんてはた迷惑な注文の仕方を何度も繰り返す。
それが誰かに迷惑をかけているなどとは微塵も感じないようだ。
自分の行動が周りにどのような影響を与えるかに思い及ばない有子には、
自分に向けられたバッシングの原因がわからなくて当然だろう。

そんな思いやりが持てないまま、ボランティア精神を振りかざされても、
自己満足にしか見えない。
・・・いや、有子はボランティア精神を振りかざしてはいないんだった。
自分の存在意義を見出す場所を探しているだけ。

「私、何か悪いことした?」
この一言で不快指数は極限に達した。
鑑賞後も気分の悪いこと。
観た人の感情に何かしら影響を与えるという点で、何かを考えさせるという点で、
この作品はじゅうぶん成功している。

再び「向こう」に向かう主人公に餞別を渡す継母。
ギクシャクしていた関係が最後に軟化するのは、
有子の前途を示唆してのことだろうか。

「ひとりの女性が日本を捨てた−。彼女が彼女であるために。」


人生をリスタートする有子は救われたかもしれないが、
そのための犠牲を思うと、何とも後味の悪い再出発だ。


取り上げた題材が理由で、日本での公開は見送られてきたそう。
上映劇場もまだ少ないようだけれど、
少しは話題になって、たくさんの人に観て欲しいと思う。



公式サイト
(「約一週間で撮影した」といった撮影話から、
このテーマを取り上げるに至った経緯まで、監督のインタビューが載っています。)
バッシング@映画生活
posted by hanabi666 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月23日

「春の日のクマは好きですか?」




ペ・ドゥナがむちゃくちゃキュートです!
韓国映画の恋愛ものなのにこの爽やかさ。
ペ・ドゥナの魅力全開です。

韓国の恋愛ものといえば波瀾万丈。
ドラマでも映画でも、
カップルのどちらかが病気になったり死んでしまったりして(特に女性)、
それを乗り越えるくらい深い愛情をこれでもかというほど描くもの。
そう考えると、この「春クマ」は青春映画に近い位置づけかもしれません。
誰も死なないし、誰も病気になりません。
(お父さんがちょっと肝臓悪いくらい。)

爽やかな作品らしく、キュンとする結末を迎えました。
これくらい爽やかなノリなら、共感できる男子もいるのでは?

もう一人の主人公キム・ナンジンは、
草なぎ剛にとってもテイストが似ている男の子。
俳優さんは大抵の場合、最初はトロそうな感じがしていても、
終盤に向かうにつれ凛々しくなっていくものなのですが(普通は)、
彼の場合、草なぎ君に似てるなあ・・、という思いに取り憑かれてしまったためか、
凛々しい変貌は見られず、最後までぼくとつとした青年でした。
(モデル出身らしいですね・・・。)

ところで、春の熊とは?という疑問が・・・。
冬眠でエネルギーを蓄えたので、春になって元気ハツラツ!
ということでペ・ドゥナでしょうか。
冬眠から覚めてまだぼーっとしている、ということでキム・ナンジン?
それとも・・・?

公式サイト
春の日のクマは好きですか?@映画生活
posted by hanabi666 at 07:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月21日

「やわらかい生活」




蒲田なんて下町が舞台で、
タイトルもソフトな感じで、
チラシの解説からも脱力系のお話と見て取れたので、
ほんわかしたムードを期待しておりました。

ほんわかしていないわけではないのですが、
「心に風邪を引いた」登場人物たち、現実的にはけっこうシビアな状況です。
でもそのシビアさと共存しながら、
「こんなこともあるよね」と強かに生きようとするところが、
「粋じゃない下町、蒲田」に合っているというか。

あまり書くとネタバレになってしまいますが、
公式サイトで、
カニリカさん(放送作家・脚本家)の寄せられたコメントが
まさにその通り!と思いましたので、引用させていただきます。


「やわらかい生活」という優しい響きのタイトルに惹かれて、

ひょっとして癒されるんじゃないかと期待しつつ、

ひとりでこの作品を観たとしたら、

あなたは低温火傷をしてしまう。

誰かを失うことの大きさと怖さと寂しさが

じわじわと押し寄せてきて、

ヒリヒリとした痛さが胸に沁みてくる。

でも、人はそれでも生きていかなければならない。

その強さを教えてくれるのが、

この「やわらかい生活」。




個人的には、大森南朋さんの出番が少なかったのが残念ですが、
豊川悦司の歌声を初めて聴くことができたので、まあ良しとしましょう。
(喋る声からはちょっと想像できない、いい歌声でした)

歌声以外の魅力ももちろんありますのでご安心を。
自分は奥さんと別居したり愛人に振られたりしたダメ男なのに、
従兄弟である主人公・優子(寺島しのぶ)には、
無限の包容力を思わせる態度で接する。
もうどうしてそんなに優しいのか。
本人、あまり優しくしている気がなさそうなところがまた・・・。


蒲田に馴染みのある方は見知った場所がたくさん出てきますし、
心に風邪を引いちゃった方は「心配しなくて大丈夫なんだ」って
きっと感じられるだろうし、
トヨエツのいい男ぶりを堪能することもできるし、
いろいろな楽しみ方ができる一品と思います。


公式サイト
やわらかい生活@映画生活
posted by hanabi666 at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月20日

「初恋」




未解決のまま時効になり、
いろいろな憶測をもとに何度かドラマ化された3億円強奪事件。
今でいうと30億に相当するらしいとてつもない金額を、
女子高生が強奪したというストーリー。

実際に、現職警官の19才の息子が主犯ではないかという説もあったそうです。
もっとも、その少年は事件から五日後に自殺してしまい、
真相はわからず終い。

なので、実行犯が女子高生、という解釈もまったく突飛な発想ではないと思う。
でもこれは、初恋のお話です。

初恋ですから、もちろんプラトニック。
想いすら口に出せない。
女性なら主人公みすずに、男性なら岸に、きっと共感できるでしょう。
みすずの、岸を思う気持ち。
自分を必要だと言ってくれる人のためなら何でもできる。
若さ故、と言ってしまえばそれまでですが、
それが恋、たぶん。

主人公が思いを寄せる岸(小出恵介)や、
ジャズ喫茶にたむろするグループのリーダー・亮(宮崎将)といった男性陣が、
昭和の男子らしく無口で自分の気持ちをすぐ口走らないところも、
想像力をかき立てられます。

そして私はどうも宮崎あおいに弱い。
特に、彼女の涙に弱い。
決して美人とはいえないしい、
かわいいけど鼻ぺちゃだし、
笑った顔なんて「私ってかわいいでしょ」オーラ出まくりだけど、
そんなことはどうでもよくなるくらい、
彼女の涙は凄い。

彼を待ち続けて憔悴し、道端にへばりこむシーンも、
切なさがあふれ出ています。
(憔悴している割には血色はいいけど、許そう。)
ケータイ刑事も成長したなあ、と深い感慨を覚えました。
岸役の小出恵介との共演作も公開を控えているそう。
今度はどんな役を演ってくれるのだろう。

この映画で、小出恵介に対する見方も少し変わった。
ドラマを数回見たことがあるだけだが、
今どきの軽い感じの男子という印象しかなかった。
「初恋」に出るんだ、今どきの顔なのに。いくら髪型を昭和仕様にしても・・・、
という気持ちは変わらないが、
岸役が良かったせいか、ドラマの彼も何故か少し凛々しく見えてしまう。
岸が良かったんだよ、岸が。
でも、宮崎あおいとの共演作は少し期待してしまう。


公式サイト−3億円事件トリビアもあります。
初恋@映画生活
posted by hanabi666 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月17日

news! 「デイジー アナザー・バージョン」公開決定

「デイジー」の公式サイトで、アナザーバージョン公開のニュースが
発表されていました。

チョン・ウソン演じるパクウィからの視点で描かれたストーリーとのこと。
チョン・ウソンファンは必見ですね♪

↓以下、記事より



『デイジー アナザー・バージョン』公開が決定!!


★公開日程★
東京:6/24(土)〜7/14(金) テアトル新宿
Tel:03-3352-1846

大阪:6/24(土)〜7/7(金) 動物園前シネフェスタ
Tel:06-6647-7188

福岡:7/8(土)〜  KBCシネマ
Tel:092-751-4268

札幌:7/29(土)〜8/11(金) スガイシネプレックス札幌劇場
Tel:011-221-3802

★『デイジー』と『デイジー アナザー・バージョン』の違いって?

只今公開中のものは、インターナショナル・バージョンと呼ばれるもので、
ヒロインであるヘヨン(チョン・ジヒョン)の視点から描かれたものになっています。

今回新たにお届けする『デイジー アナザー・バージョン』は
韓国のみで公開された超プレミアバージョン。

チョン・ウソン演じるパクウィからの視点で描かれたものです。
チョン・ウソンファンの皆様、見逃さないでくださいね。彼の魅力が全開ですよ!

『デイジー』を初めてご覧になる方はもとより、
ご覧になった方ももう一度楽しめるアナザーバージョン、ぜひご覧下さい!
posted by hanabi666 at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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