2006年03月19日

「ルート225」




主演の多部未華子さんと岩田力くんのやり取りが絶妙です。
特にいい味出しているのが岩田くん。
映画初主演といっても、既にミュージカルで活躍しているそう。
滑舌のよさと、(体格の割に)フットワークが軽いのはそのためでしょうか。
私は、弟とは年が離れていたので、
漫才のような掛けあいや口喧嘩はあまり経験がない(記憶にないだけ?)ですが、
きっと現実の姉弟のやり取りって、こんな感じなのでしょう。

しかし、この映画のメッセージはどう解釈すればいいのだろう。

子供が成長する過程?
だらだらと日々を過ごし、親に言われないと行動しない姉が、
親のいない、自分と弟しかいない世界では、
積極的に(ある時は弟を使って)物事を考えようとし、
自分からアクションを起こすようになる。
マザコン気味の弟も、問題解決に向けて、考えに考える。
頼る人がいないと、人間、強くなるしかない。

あるいは、テーマは姉弟愛?
クラスでもいじめられっ子の弟。
はじめは邪険にしていたけれど、自分と弟と二人しかいないとなると、
彼を守るのは自分しかいない。
帰りが遅くなったとき、「遅くなるなら電話くらいしてよ」と
涙ぐむ弟に、素直にごめんとは言えなかったけれど、
着実に母性愛は芽生えている。

それとも、テーマは「親は無くとも子は育つ」?
家族がバラバラに暮らす現実を受け入れる姉弟。
いちばん多感な年頃に、そんなにすんなりその大事件を許容できるのか?

中高校生特有の友達関係とか、
経済環境を加味した親戚付き合いとか、
今どきの若者言葉とか、
わりとリアルなところを細かく描いているのに、
何故か違和感を感じる。
それはきっと、全てを受け入れたような清々しいエンディングに対してだ。
確かに、親がいない分、子供は強くならざるを得ないし、
そもそもこの作品では、そんなことに主眼は置いていないかもしれないし、
そんな重大事件をライトに撮ってしまうのは凄いことかもしれない。

でも、なにか釈然としない。
もやもやの糸口が見つかるといいなと思い、窓口で原作本を買ったけれど、
こんなにモヤモヤしているのは、ファンタジーが苦手だから?



鑑賞した「シアターN渋谷」は、改装されてきれいでした。
待合いは白壁で明るく、壁際のボロボロの椅子も、座り心地のいい新品!
劇場内部は・・・、
椅子がクリーニングされて綺麗になったような変わらないような・・。
(暗くてよく分からなかった)


公式サイト
ルート225@映画生活
posted by hanabi666 at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月13日

「好きだ、」




いつも話してても、
いつも側にいても、
なかなか、なかなか言えないこの気持ち。

科白は少ない。
横顔と息づかいと空とハミングが続く。
どこまでも蒼い空ではなく、曇った空。

伝えたいこの想い。
でも、口にすると消えてしまいそうな想い。
言ってしまうと壊れてしまいそうな関係。

言えない・・・。

横顔と空とハミング、胸がどんどんキュンとする。


いま高校生の男子・女子も、
かつて高校生だった男子・女子も、
そんな気持ちを胸に秘めていた人は少なくないはず。


そして、
ようやく伝えたこの気持ち。
伝えても答えてもらえない・・・あー、泣くぞ、泣くぞ・・・、


ほら泣いたー。(あおいファン、急増!?)


と思った女子はわたしだけではないはず。


女子からアクションを起こしたにもかかわらず、
すっと帰って行く男子(瑛太)に、

なにポーカーフェイスしてんねん、
黙って帰ってんちゃうわ、
おい、こら、待たんかいっ、


・・・って(心の中で)罵声を浴びせた女子も、私だけではないはず。

男子は・・・、彼の気持ち、分かるんでしょうか?
(痛い想いを思い出した?)


十数年後、再会してからもすれ違う想い。

その想いを互いに告げるきっかけとなる男、加瀬亮。
たった3シーンしか映らないのに、おいしすぎる。
何といってもキーパーソンだから。
彼の存在なくして、二人の想いはつながらなかったから。

ずっとキューッてしていた心が解き放たれて、
なんだか、あったかい気持ちになりました。


公開1週間たっていますが、劇場は盛況。
渋谷の日曜午後早めの時間とはいえ、20分前に行って整理番号128番!
(こんなに周知されていたとは。)

みなさんも、あったかい気持ちになってみませんか?



公式サイト
好きだ、@映画生活
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2006年03月01日

「転がれ!たま子」




とても丁寧に作られた映画です。

家の半径500メートルエリアから出たことがない24才の女子が、
初めてそのエリアから一歩踏み出し、
初めて自ら労働し、
初めて自分で何かを作り上げる、
という(だけの)話なのに、
スミからスミまで、丁寧に丁寧に、一点の矛盾もなく描かれていました。

主人公・たま子だけでなく、取り巻く人々のことも同じく丁寧に。
特に印象的だったのは、
たま子の母親と、たま子の幼なじみ・トラキチが互いの愛に気付くシーン。
台所で、真空パックに入ったトウモロコシが茹で上がるのを待つ二人。
たま子の「母親」と「(たま子に惚れている)幼なじみ」だった二人が、
気まずい沈黙を共有するうちに「女」と「男」へと変わっていく。
その描写がむちゃくちゃ細かい!
母親のうなじ辺りと沸騰した鍋が交互にアップになったり、
二人の交わす目線が、本当に線になって見えそうなくらいだったり。

そんな調子で、主人公の絡まない場面もとても濃密に描写されていたので、
すごく長い時間上映しているような錯覚に陥った。
でも、103分らしい。(そんなに短かったんだー)


「鉄仮面」とか、サイケな衣装とか、恐るべき世間知らずとか、
甘食しか食べない(!)という食生活とか、
普通ではあり得ないことだらけ。
でも、基本的には主人公の「自立」がテーマだと思う。

24才のたま子があんなに成長できるのだから、
ニッポンの女子、もっと頑張れよ、という感じでしょうか。



公式サイト
転がれ!たま子@映画生活
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2006年02月27日

「ベロニカは死ぬことにした」




毎日が退屈でたまらないとき、
自分のことが好きになれないとき、
えもいわれぬ喪失感に苛まれるとき、
きっとこの作品は底辺からすくい上げてくれるだろう。

原作の作家パウロ・コエーリョが、
女性に人気だというのがわかるような気がします。

どっかで人生が退屈だと思っている。
主人公のように、生きる喜びを見出したいと思っている。

毎日全然退屈ではなく、
自分のことは(別に根拠はないけど)結構好きで、
充実しすぎて逆にちょっとお疲れぎみの私が、
この映画からちょっと元気をもらえたから。


大好きな本は後にとっておく。
その間にどうでもいい本ばかり読んでしまって、
結局大好きな本は読まず終い・・・。

そう、やりたいこととは、すぐにしないと腐ってしまう。
ちょっと置いておくと、どうでもいい事になってしまう。
前向きな自分の気持ちも腐っていく。


主演の真木よう子さんも迫真の演技でしたが、
脇を固める俳優さんたちの顔ぶれもまた・・・。
なかでも、荻野目慶子さんに近づいた(?)中嶋朋子さんが素敵でした。
自分を自分から解放するなんて、想像もつかないことですが、
解放するってあんな感じなのかな、と思わせる。
飛んでましたから、彼女。

音楽には疎い私ですが、
この作品の音楽は、きっと凄いんだと思いました。
「ニュー・シネマ・パラダイス」のアンドレア・モリコーネという人が
やっています。
どれだけ凄い人なのか分からないのが恥ずかしいところですが、
映画が終わったらあれをしよう、これもしよう、という思いを
かなり後押ししてくれました。


公式サイト
ベロニカは死ぬことにした@映画生活
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2006年02月14日

「カミュなんて知らない」




新生ユーロスペース、初鑑賞です。
椅子に段差がつけてあり、前席の方のアタマが気にならない。
椅子も程よい堅さで快適でした。
シネアミューズやル・シネマとハシゴしやすい立地もなかなかです。
ただひとつ、トイレの壁が白すぎて眩しいことを除けば・・・。


さて、本題の映画「カミュなんて知らない」。

知ラナイです、私も。
異邦人もカミュも、作中で多数引用されている古き良き映画も。
そんな私でも楽しめたのですから、
昔の作品をよくご存じの方は、もっと奥深く楽しめるのではないでしょうか。

知らない私でもわかったのは、冒頭の長回し。
大学の正門から部室まで、
主要メンバーが次々に登場するところ。

ある二人のメンバーが、構内を歩きながら、
過去の(恐らく有名な)映画の長回しについて語っているところで気付いた。
あ、これも長回しじゃないの。
・・・と思ったら、ほどなく長回し終了。
ちゃんと見ている人は、もっと早く気付くのだろうな・・・。

監督が実際に大学で数ヶ月講師を務め、
撮影も実際の大学構内で学生のエキストラを募って行ったため、
今どきの学生の生態がリアルに描かれている


と何かの雑誌に書いてありました。

ほんと、リアルです。
サークルという一つの集団における人間関係、
カリスマ性がありイニシアチブを取る者と追随する者とか、
男女の恋愛感情とか、
一つのものを追求し、追求しすぎて爆発し、
だけど最後には達成感を味わう感じとか、
まさに青春映画です。

この映画がただの青春映画で終わらないのは、
実際の殺人事件を(作中の)映画のモチーフにすることによって、
人を殺す感覚がどのようなものか、
殺すときの精神状態は異常か正常か、
というテーマを観客にも投げかけ、
登場人物たちにも激しく議論させている点にあると思う。

フッと「殺したらどうなるかと思って」と思うなど、
今どきの高校生の考えることは理解に苦しむ、
などと一蹴できるだろうか。

包丁を手にしたとき、
人を刺すってどんな感覚だろう、なんて、
誰でも一度は「フッと」感じたことはないだろうか。

それを行動に移すか否かが、
殺人者とそうでない人の理性の境界線でしかないのでは・・・。

まあそんなことはさておき、
本当に殺してしまったのではないかと、見終わった後も不安が残るくらい、
ラストの殺人シーンは衝撃的でした。

48才の田口トモロヲさんが、
35才の学生役を極めて自然に演じているのも、
ある意味、圧巻です。
教授役の本田博太郎さんと6つしか違わないなんて・・・。


公式サイト
カミュなんて知らない@映画生活
posted by hanabi666 at 01:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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