2009年07月28日

「縞模様のパジャマの少年」

KICX4506.JPG

衝撃的だ。

見終わった後、椅子に縛り付けられたかのように動くことができなかった。

涙が止まらないような悲しさではない。
でも、スクリーンから目が離せない。


子どもが主演の映画で、かつ戦争ものということで、
泣く準備はしていた。
「ブラス!」と同じ監督だから、
ナチスをテーマにしているとはいえ少しは温かい雰囲気もあるかと思っていた。

どちらも、見事に裏切られた。

自分の目で見る事実と、それとは違う周りの大人からの洗脳の間で苦しむ少年。
でも、最後は自分の目を信じて少年は動きます。

反対に、目の前の事実を見ようとせず、
ナチス政権を信じて疑わない大人たち。
自分たち正義と思い込んでやってきたことが本当に正しかったのか、
少年の行動によって思い知らせれることでしょう。

偏った思想におぼれつつ、もしかしたら薄々、自分がしていることは
間違っているのではないかと感じていたのかもしれません。
でも間違っていると口に出せるような社会情勢ではなかったことは確かだし、
自分のしていることは間違っていないと信じ込ませる力が戦争にはあるのだと思います。
それはナチス政権に限らず、世界中、いつの時代でも同じことなのでしょう。

”いい国をつくる”ためにパパは軍の仕事をしていますが、
”いい国”って何なんでしょう?
「友達と有刺鉄線を挟まずにキャッチボールできる国がいい国だよ」と
少年は思ったに違いありません。

救いのないラストにかなり衝撃を受けましたが、
友達のために何かしたいと思っていた少年の思いは救われたのでしょうか・・・。


*「縞模様のパジャマの少年」公式サイト

posted by hanabi666 at 18:36| Comment(0) | TrackBack(1) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月10日

「スラムドッグ$ミリオネア」

試写会、行ってきました♪

KICX4115.JPG


インドのスラムって、すさまじい・・・。
これまでスラム街をテレビか何かで見たことは
あったのかもしれない。
でも、こんなにべたな街の様子を見たのは初めて。
結構、衝撃的です。
潔癖性の人は耐えられないだろうな、と思います。

アカデミー賞8部門受賞という華々しい作品ですが、
わたしが興味があったのはダニー・ボイル監督だから。
(アカデミーなんか取っちゃうと逆に興味が失せたりして・・・。)

といっても、最初の3作品(「シャロウ・グレイブ」
「トレインスポッティング」「普通じゃない」)しか
観ていないんですけどね〜。
個人的には「シャロウ・グレイブ」が好きで、
あんなテイストの作品を待ち望んでいるのです!
(失礼、脱線しました。)

この「スラムドッグ$ミリオネア」は、
「シャロウ・グレイブ」と違って”救い”があります。

母親が亡くなったり、
悪い人にさらわれてひどい目に遭わされそうになったり、
盗んだものを売ったりと、どん底の生活を経験します。

それで主人公はたくましく育つのですが、
すごいのは彼が純粋無垢なこと。
普通、あんな悲惨な人生だったらどこかで一度はぐれるでしょう、
と思うのですが、彼はものすごく純粋です。

初恋の人をずっと想い続けるぐら純粋です。
クイズ・ミリオネアで勝ち上がるのも奇跡ですが、
あんなに純粋培養されてしまう方がもっと奇跡的です。

なんかこう、ちょっと幸せな気分になってしまいました。
ストーリーが、単純にクイズ番組としても楽しめるところも
ニクイですね。

観おわった後、あったかい気持ちになれていいですよ。






posted by hanabi666 at 19:23| Comment(0) | TrackBack(2) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月29日

「ポビーとディンガン」


イギリス=オーストラリア


霊とかUFOのような目に見えないものを信じない私としては、
「目に見えないお友達」の存在を信じる子供というのは
かなり抵抗のある設定だと、観る前は危惧していました。
でもあの真っ直ぐな瞳で見つめられると、決して信じてはいないのだけれど
信じたくなってしまう。子供ってすごい力をもっていますね。

笑い物になっても非難されても、妹のために「空想のお友達」を探すお兄ちゃん。
とても必死に探しているのに、どこか飄々とした感じがあって、
逆にその感じが芯の強さを表しているようにも思えました。
妹を助けようと奔走する姿も泣かせますが、
盗掘の濡れ衣を着せられて町中のハブになった父親を信じる姿も、
凛々しくて素敵です。

妹を思いやる優しさだけでなく、そんな強さがあるからこそ、
最後には町中の人の心をつかむことができたのでしょう。

お兄ちゃんの優しさと強さも素敵でしたが、
最後に粋な計らいをしてくれた葬儀屋のおじさんに、心を奪われました。
感動ものだと聞いていたのに、どこで泣けるんだろう、あれ、そろそろ終盤なのに・・・
という矢先の出来事でした。
いいとこ持ってくね。

しかし、「空想の友達」は信じなかったのに、
父親のオパール探しは否定せず、将来は自分も・・・!!
発掘できるかどうかわからないオパールを探し求めるなんて、
父親もお兄ちゃんも、目に見えないものちゃんと信じているじゃない。
それとも、男のロマンと空想の友達は別なのでしょうか。


公式サイト
ポビーとディンガン@映画生活
posted by hanabi666 at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月07日

「ヴェラ・ドレイク」



※イギリス・フランス・ニュージーランド合作

ヴェラを演じたイメルダ・スタウントンが絶賛されている。
華やかさとは縁遠く、小柄な女性ですが、とても力強さがあります。
自分のしたことは、法は犯しているけれど、人は傷つけていない。
望まない妊娠をしてしまったお嬢さんを助けただけ、という信念がうかがえます。
最後まで、自分の行いを「Abortion(堕胎)」とは言いませんでした。

後悔するのは、自分が逮捕されることで家族に迷惑をかけてしまったこと。
沈痛な面持ちは、その罪悪感からくるものと思います。
家族も親戚も、隣人までも愛する。
そして愛しているからこそ、迷惑をかけることに耐えられない。

キーパーソンは、そんな「黄金の心を持つ」彼女をどこまでも信じ、愛する夫。
逮捕された彼女を「家族の恥だ」と罵る息子に、「それは違う」と一蹴します。
劇中では、ヴェラの投獄後のエピソードは描かれず、
家族が再生するか否かは観客の想像に任される。
明るい未来を想像させる演出はなく、
ラストシーンでは、テーブルを囲む家族は無言のまま。
打ちひしがれた姿で映画は終わります。
唐突なラストに一瞬戸惑ったけれど、彼等は立ち直るだろうと予感しました。
妻を信じる夫の強い愛情は、きっと家族を再生させる力を持つ。

しかし、家族の誰かが信念に基づいて法を犯したとき、
私は無条件に許すことができるだろうか。
私が法を犯したとき、家族は私を許すだろうか。
なかなかヘビーな問いかけだ。


ヴェラ・ドレイク@映画生活
公式サイト
posted by hanabi666 at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月30日

「Dearフランキー」




父親と男の子の、あたたかい関係が素敵でした。
親子といってもここでは擬似親子で、
父親を知らない男の子のために母親が男性を雇うのですが、
その男性が父性を獲得していく様子が微笑ましい。

カケッコして、石投げして、食事して、土手に座って・・・。
特に子供が難聴のため、言葉を口にすることは少ないけれど、
目がだんだん優しくなってくる。
言葉の愛情表現が(もしかしたら殆どの男性が)苦手なのかもしれないですが、
代わりに体全体で子供をフワッと包み込んでいるようでした。

父親役、ジェラルド・バトラーの出演作はまだ観たことがないですが、
これから少し注目してみようと思います。(最近は「オペラ座の怪人」が有名ですね)
ガタイが大きいのでぱっと見はいかつい感じですが、
子供を見つめる優しい眼差しが印象的でした。

奇抜なストーリー展開もなく、もちろん派手なアクションもありませんが、
温かい気持ちになります。
こういうのを、「ハートウォーミングな作品」と呼ぶのかもしれない。

*楽天レンタルで「Dearフランキー」を借りよう


posted by hanabi666 at 10:33| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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